ヨガのこと

大人がはぐらかす問いを考える【本】老師と少年

「ブログ読んでます」とか言われると嬉しくって更新しちゃうよね。誰かが読んでくれてると思うと励みになる。ありがとう。

さ、今日も本の話です。読むスピードは遅いのですが、本は好きです。ブック○フとか見かけたら入らずにはいられません。旅先の移動中でも見かけると入ってしまい、1時間もロスするなんてことも…。先日も目的地に向かう途中で見つけてしまい、30分だけ!という制限をきちんと設けて入店しました。読んでない本たくさんあるのにね。掘り出し物探す感覚で本屋さんより好きです。

それはさておき今日の本はコレ

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「老師と少年」  著:南直哉  出版:新潮文庫

薄いです。120ページ。でもすごく深い。何度も読む本。
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バカバカしいとも思えるような少年の疑問に答える老師。問答形式になっているのでウパニシャッドみたいだね。

「立派ってどういうことなの?」「私って誰なの?」そんなこと子供から聞かれたらみなさんならどう答えますか??

決して答えられない危険とも思える問いを大人は隠そうとする。かつて自分がそうされて、考えることを止めてしまったように。難しい「問い」にはこれといった答えがないものも多い。あると思うと逆に誤ってしまうこともある。だから大人はその「問い」を直視せずにはぐらかすのかもしれない。

その「問い」に向き合うのがこの本。

なぜ死ぬのか。生きることが善いとされているのに何故自分たちで死を選ぶことができるのか。そんな問いから徐々に核心へと迫っていきます。

「人間とは何ですか」「裂けたもの、欠けたものだ」「なにが裂け、欠けるのですか」「人はそれを探して、苦しむ」「老師も」「これが始まりだった」「今も探していますか」「探している」と、老師は言い、少し声を強くして言った。
「ただし、裂けたもの、欠けたものを、ではない」「違うのですか?「人はここで間違う。何かが欠けるのではないのだ。ただ欠けるのだ」

こういう問答が続いていくので少年は「わかりません。まるでわかりません!」とパニック。でも感じて、考えていくということに意味があるのだと思います。

途中老師は

「理解できないことが許せないとき、人は信じる。信じていることを忘れたとき、理解する」

というのですが、「盲信」という言葉が思い出されました。私のヨーガの先生は「MANANAMしなさい」って言います。MANANAMといのはヴェーダンダの言葉を理解する3つのステップの2つめの項目。「考える」ということ。『聞いたことが自動的に知識になるわけではなく、考えなくてはいけないよ。目に見えない話だけれどある種の信頼があってヴェーダンダの勉強は成り立っている。でも盲目的に信じちゃいけない。自分で考えること。おかしいモノには気づくこと。』って教えてもらったことを思い出しました。考えず、理解できずに信じてしまうことはとても怖いな

 「人は思う。かわらぬ『私』を支える何か確かなものがあるはずだ、と。だがそれはどのようにしても見つけられない。なぜなら『私』という言葉は、確かな内容を持つ言葉ではなく、ただある位置、ある場所を指すにすぎない」

私は主体である私を客体としてみることはできない。言葉や五感で捉えられない。でも人は客観的に捉えられるものに依存していまう。だから「私」を支える何か確かなものがあるはずだと思ってしまうんですね。私は私を捉えることができない。客観的に捉えることができるのは「私」ではないから。

頭がこんがらがってきましたか?実際に読んで考えてみてください。

最後に…

「聞け。自分が存在する。自分が生きている。そう思うから、人は自分とは何かを問い、なぜ生きているのかを問う。しかし違うのだ。自分が存在するのではない。存在するのだ。自分が生きているのではない。生きているのだ。問いはそこから始まる。『自分』からではない」

I am ○○. すなわち I=○○。 私とは○○である。

そうじゃないないんです。

I=am  私とは存在そのもの。

そういうこと。

自分が存在するのではなくただ存在する。これを説明しているのがヴェーダンダなわけです。

 ※ヴェーダンダやらウパニシャッドやら…わけわからん言葉やなーって人は一緒に勉強していきましょう。私もまだまだ勉強中。わからないことたくさんだけれどみなさんと歩んでいきたいです。

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