【本】父の詫び状*向田邦子

旅行記の途中ですが閑話休題。ベトナム旅行中にはたくさんの本を読みました。飛行機の中で、ホテルで…じっくり本を読むことができるのは幸せです。

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『父の詫び状』 向田邦子

この本は何年も前に購入していたのですが、一度開いて読み始めてみるも食指が動かずそのまま本棚に…。今回ふと手に取り読み始めると面白くてとまりませんでした。こういうことってありますよね。子どもの頃は茄子が嫌いだったのに、大人になって食べたらめちゃ美味しい!みたいなかんじですかね。(違うな)

この本は昭和4年に生まれた作者のエッセイです。放送作家でもあった著者の作品は目の前にその光景が浮かんでくるように鮮やかです。

父の詫び状はこのエッセイの中の一つの題名です。家族との関係、父との関係が描かれていることが多い作品でした。子どもの頃の思い出は家族とはきって切れないモノがありますもんね。

若い時は、お母さんも気が利かないなと思っていた。だが、この頃になって気が付いた。父は、母のこういうことろを愛していたのだ。
「お前は全く馬鹿だ」
 口汚くののしり、手を上げながら、父は母がいなくては何もできないことを誰よりも知っていた。
 人の長所を見る前に欠点が目に付く父にとって、時時、間の抜けた失敗をしでかして、自分を十二分に怒らせてくれる母は、何よりの緩和剤になっていたのではないだろうか。

この言葉を読んで父と母の事を想い、涙が溢れました。

私の父は昔気質です。「男が耳に穴を開けるなんて!」と言っては私が彼氏を紹介する際にはピアスが開いていないかチェックを入れていました。

なんでも段取りよくこなす父ですので、周りにも同じように求めていました。そんなこともあり、母は電車の切符を買うときにもたもたしないようにと、家を出るときからお金を握りしめていることもありました。

何故、父は母に厳しい言葉を言うのかよくわからずに「もっと優しくすればいいのに!」とか母が怒られないようにとハラハラしながら母の行動を見ていたこともあります。

「よくもまぁこんなに叱られて一緒に居られるもんだ。」と思春期の私は思っていましたが、母は「ああやって言わはるけど、お父さん優しいねんで」言うてました。私にはわからない何かがあるんでしょう。そうでなけ50年近くも連れ添ってないよね。

どこでも一緒に行くような仲良し父娘ではありませんでしたが、「嫌!不潔!!パンツ一緒に洗わないで!!」ということもありませんでした。それは父(と母)は一生懸命に仕事をして育ててくれたことを身をもって感じていたし、どんなに怒られていたとしても母は父のことを悪く言うことがなかったからだと思います。

この年(アラフォー)になってからは父は不器用なんだろうなと思っています。ぶっきらぼうにしてもすんごい私のこと心配していたり、、、、父というか男性って不器用なのでしょうね。それがわかるとその不器用さも愛おしいものです。

戦前戦後の時代を生きた作者のエッセイは完全に同じ時代に生きてきたわけではないけれど、とても懐かしく、子どものころの記憶がキラキラと蘇る作品です。そして父との関係を思い返させてくれる作品。

いろんな想いがこみ上げてきて何度もじーんときました。

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